悪徳探偵にひっかかる前に確認したい5つのチェック|返金されない・証拠が使えないを防ぐ

悪徳探偵にひっかかる前に確認したい5つのチェック|返金されない・証拠が使えないを防ぐ

探偵事務所に依頼して、後悔している人は少なくありません。

「思っていたより費用が膨らんだ」「報告書が届いたが証拠として使えないと言われた」「解約しようとしたら返金を拒否された」。こうした声は、探偵業界のトラブル相談として一定数存在し続けています。

残念なことに、依頼してしまった後では取り返しがつかないケースが多い。

この記事では、悪質な探偵事務所を事前に見抜くための5つのチェックポイントをまとめます。裁判実務の現場で調査報告書を何度も目にしてきた立場から言えば、良い事務所と悪い事務所の差は、依頼前の段階ですでに見えています。費用をかけて失敗する前に、ここだけは確認してください。

なぜ探偵トラブルは起きやすいのか

まず前提として、探偵業界がトラブルを生みやすい構造にあることを知っておいてください。

探偵業は「探偵業法」に基づき都道府県公安委員会への届出が義務付けられており、届出なしに営業することは違法です。しかし、届出さえすれば基本的に誰でも開業できる業界でもあります。
参入障壁が低い分、実力・倫理観にバラつきが出やすいのです。

さらに、依頼者側の心理として「早く証拠が欲しい」「誰にも相談できない」という焦りや孤立を感じているという背景もあります。そんな心理を突いた強引な契約や不当な高額請求が起きやすい土壌があります。

こうした構造を理解した上で、チェックポイントに入ります。

チェック1|料金体系が「総額」で示されているか

最もよくあるトラブルが、費用の際限ない膨張です。

基本料金〇万円〜」という表記だけの契約内容で契約してしまうと、後から「調査員を増やした」「夜間料金が発生した」「交通費・機材費が別途かかった」と追加請求が積み上がっていきます。気づいたときには当初の想定の2〜3倍になっていた、というケースは珍しくありません。

なので、料金で確認すべきことは「見積もりの段階で、総額の上限が明示されているかどうかです。

「この条件で動いた場合、最大でいくらになるか」を書面で示せない事務所は避けてください。口頭での説明だけで済ませようとする場合も同様です。後から「そんな話はしていない」という水掛け論になります。

【実際に起きたトラブル事例】

夫の素行調査を依頼しようと、ある探偵事務所と料金300万円・25稼働、GPS設置10万円の契約を結んだ女性がいます。契約当日に50万円をクレジット決済しましたが、翌日、夫に依頼したことがバレてしまったため即日解約を申し出ました。

探偵側はこの申し出を拒否。GPS設置も未実施、報告書も一切受け取っていないにもかかわらず、「2稼働分の作業費+解約手数料」として約66万円を請求してきました。

国民生活センターのADR(裁判外紛争解決手続き)に申し込んで争った結果、最終的に約24万円の返金で和解が成立しましたが、支払った50万円の全額は戻りませんでした。

「何もしていないのになぜ?」と思うかもしれませんが、総額の根拠が契約書に明記されていなければ、こういう請求が通ってしまうことがあります。サインする前に、総額の上限と内訳を書面で確認する。これが依頼側ができる最大の防御です。

※本事例は国民生活センターADR公表事例(平成31年)をもとに記載しています。

チェック2|契約前に調査報告書のサンプルを見せてくれるか

探偵に依頼する目的は、使える証拠を手に入れることです。ところが、報告書の質を確認せずに契約してしまう人がほとんどです。

裁判実務の現場で実際に報告書を見てきた経験から言えば、質の低い報告書は一目でわかります日時の記載が曖昧、写真の解像度が低い、対象者の特定が不十分、時系列の記述が断片的――こうした報告書は、交渉でも裁判でも使い物になりません。

依頼前に「過去の調査報告書のサンプル(個人情報を伏せたもの)を見せてもらえますか」と聞いてみてください。この一言を嫌がる、あるいは「そういうものはお見せできません」と即答する事務所は要注意です。実績に自信がある事務所なら、サンプルの提示を渋る理由がありません。

チェック3|解約・返金のルールが契約書に明記されているか

「やっぱりやめたい」となったとき、返金されないケースが多発しています。

特に多いのが、着手金を支払った後に解約を申し出たら、一切返金しないと言われたというパターンです。特定商取引法の観点からクーリングオフが適用されるケースもありますが、探偵業の契約は訪問販売や電話勧誘に該当しないことも多く、法的に返金を求めるのが難しい場合があります。

契約前に確認すべき点は以下の2つです。

  • 調査開始前の解約で、着手金はどう扱われるか
  • 調査途中で解約した場合の精算方法はどうなるか

これが契約書に明記されていない場合、サインしてはいけません。口頭で「大丈夫ですよ」と言われても、書面に残っていなければ意味がありません。

【実際に起きたトラブル事例】

夫の尾行調査を依頼した女性が、1稼働4時間・最大22万円の契約を結びました。ところが調査開始から1時間後、探偵から「対象者の車は見つけたが本人がいない」と連絡が入り、調査は3時間で中止に。

その事務所のサイトには「対象者を見失い証拠が取れない場合は返金」という記載がありました。しかし解約を申し出ると、事務所は「車は見失っていないから返金キャンペーンの適用外」と主張し、支払い済みの約12万円の返金を全額拒否しました。

「返金保証あり」という言葉を信じて契約したにもかかわらず、「条件に該当しない」と言い張られたケースです。※本件は最終的にはクーリングオフによる和解成立。

サイト上の「返金保証」「全額返金」という表記は、条件次第でほぼ機能しないことがあります。具体的にどんな条件で返金されるのかを、契約書の文言レベルで確認してください。口頭での説明やサイトの表記だけでは、後から覆される可能性があります。

※本事例は国民生活センターADR公表事例(平成31年)をもとに記載しています。

チェック4|違法な調査手段をほのめかしてこないか

「GPSを取り付けて追跡できます」「相手のスマホの履歴を確認する方法があります」――こうした提案をしてくる事務所は、即座に候補から外してください。

配偶者の車への無断GPS設置は、判例上も違法と判断されたケースがあります相手のスマホへの無断アクセスは不正アクセス禁止法に触れます。こうした違法な手段で得られた証拠は、裁判で使えないどころか、依頼者自身が不法行為をした側として問題になるリスクがあります。

「できます」と言ってくる事務所ほど、その後のトラブルも多い。調査の実力がある事務所は、適法な手段の範囲内で結果を出すことを前提にしています。違法手段を持ち出してくる時点で、実力不足のサインと見てください。

なお、自力で証拠を集めようとする場合も同じリスクがあります。やってはいけないことの整理は、こちらの記事でもまとめています。

チェック5|公安委員会への届出番号が確認できるか

前述のとおり、探偵業を営むには都道府県公安委員会への届出が必要です。届出をした事務所には届出番号が発行されており、正規の事務所であればウェブサイトや営業所に届出番号を掲示しています。

依頼前に、届出番号が明示されているかを確認してください。番号があれば、各都道府県警察のウェブサイトで届出状況を調べることもできます。

番号の記載がないサイトや、問い合わせても番号を教えてくれない事務所は、そもそも届出をしていない可能性があります。届出なしの営業は違法であり、そういった事務所とのトラブルは解決がさらに難しくなります。

まとめ:依頼前の5つのチェック

□ 総額の上限が書面で示されているか
□ 調査報告書のサンプルを見せてもらえるか
□ 解約・返金のルールが契約書に明記されているか
□ 違法な調査手段をほのめかしてこないか
□ 公安委員会への届出番号が確認できるか

この5つを確認するだけで、悪質な事務所を事前に弾くことができます。

逆に言えば、これらをすべてクリアする事務所は、それだけで信頼できる事務所の条件を満たしていると言えます。

探偵事務所は、選び方を間違えなければ「自分の人生を取り戻すための有効な手段」になります。証拠を持って交渉テーブルに着くことができれば、裁判に踏み込まずに決着できる可能性が高まります。だからこそ、事務所選びで失敗してほしくないと考えています。

費用をかけるなら、最初から信頼できる事務所に絞って動いてください。裁判実務で実際に報告書を見てきた経験をもとに、選んでいい事務所だけを厳選してまとめています。

➡️【「証拠になる報告書」が欲しい人へ:探偵事務所おすすめ3選】

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