はじめに結論:「一般的なメニューだけでも回る」。ただし“ゴミ屋敷1件”が大きな利益に
ハウスクリーニングFCで独立を考えるとき、多くの人が以下のような不安感を持つのではないでしょうか。
- 「エアコン清掃とか水回り掃除って、単価が低いんじゃない?」
- 「薄利多売で疲弊してしまうんでは?」
- 「高単価案件(ゴミ屋敷片付け)なんてほぼないんでしょ」
そこで、今回は「フェルミ推定」で実際の調査は難しいと思われるゴミ屋敷の潜在的件数を算出してみます。
「フェルミ推定」とは、限られた情報と仮定をもとに、論理的思考を駆使して現実的な数値を導き出す推論手法のことです。
どんなデータを使いどんな仮説を立てるかは人それぞれなので、同じお題でも結果として出てくる数値には当然ながら違いがあります。
- 今回検討する手順としては、
まず「一般的なハウスクリーニングメニュー」の平均単価を把握して、 - 次に「ゴミ屋敷清掃」の料金帯を押さえ、
- そして最後に「日本にどれくらいゴミ屋敷(+予備軍)があるのか」をフェルミ推定で概数化します。
さらに、人口14万人の街で案件がどれくらいあり得るかまで踏み込んでみます。
読み終わる頃には、たぶんこう思うはずです。
ハウスクリーニングの一般メニューだけでも“生活の軸”は作れそう。
そこにゴミ屋敷案件が「月1件」は難しくても、「数か月に1件」でも入ったら、かなり魅力的
1. まずは土台:「一般的なハウスクリーニング」の平均単価はどれくらい?
「一般的なメニュー」として、依頼が多く比較しやすい水準に絞ります。
- エアコンクリーニング(壁掛け)
- キッチンクリーニング
- レンジフード(換気扇)
- お風呂(浴室)
- 洗面所
- トイレ
1-1. 業界全体(相場)の目安:くらしのマーケット掲載の相場レンジ
くらしのマーケットの相場表示を使うと、レンジはこうなります。
- エアコン(壁掛け/1台):8,000〜10,000円
- キッチン:10,000〜16,000円
- レンジフード(1箇所):9,900〜15,000円
- お風呂(1箇所):11,000〜16,000円
- 洗面所(1箇所):6,000〜9,000円
- トイレ(1箇所):7,000〜10,000円
ここから「平均値」を作るため、各レンジの中央値を取ります。
- エアコン:9,000円
- キッチン:13,000円
- レンジフード:12,450円
- 浴室:13,500円
- 洗面所:7,500円
- トイレ:8,500円
この6メニューの単純平均は、
(業界相場の平均単価) 約10,658円/件
もちろん実務では「セット割」「汚れ具合」「オプション設定」などのメニュー設定で変わります。
でも、独立後に収益の“設計図”を作るなら、まずは大体の骨格は知っておくべきでしょう。
1-2. おそうじ革命(メニュー価格)の平均:同じ6メニューで並べてみる
当ブログでハウスクリーニングFCとしておススメしている「おそうじ革命」の料金一覧(公式)から、同様に主要メニュー料金を拾います。
- エアコンクリーニング(一般):9,980円
- キッチンクリーニング:17,930円
- レンジフードクリーニング:17,930円
- お風呂クリーニング:17,930円
- 洗面所クリーニング:8,250円
- トイレクリーニング:8,250円
同じく単純平均すると、
(おそうじ革命・平均単価) 約13,378円/件
業界全体相場平均(約10,658円)より少し上になるようです。
この差は「ブランド」「標準サービス範囲」「価格設計」などの違いの反映と読み取れます(※利益を保証するものではなく、あくまで価格水準の比較です)。
2. 一般メニューだけで“やっていける”のか?(売上ベースで現実的に考える)
ここは、精神論でなく、客観的に数字で考えてみます。
2-1. ざっくり月間売上モデル(中央値×件数)
- 業界相場平均:10,658円/件
- おそうじ革命平均:13,378円/件
例えば「1日3件×月20日=60件」稼働できたとすると、
- 業界相場平均ベース:10,658 × 60 ≒ 639,480円/月(売上)
- おそうじ革命平均ベース:13,378 × 60 ≒ 802,680円/月(売上)
もちろん、ここから
資材・交通費・広告費・FCロイヤリティ・保険・税金などが引かれます。
また、稼働件数も地域的条件(世帯数、人口など)で差は出ると思います。
ただ、“食えるかどうか”の第一段階としては、
一般メニューだけでも、件数が積めるなら売上の柱にはなる
という結論が数字で見えてきます。
で、ここからが本題。
3. 「ゴミ屋敷片付け」はなぜ“月1件”じゃなくても破壊力があるのか?
ゴミ屋敷系の掃除料金が高い理由は単純です。
- 人手が要る(分別・搬出・積込・清掃)
- 廃棄物処理コストが乗る
- 害虫・臭気・衛生対応が必要になる
- 作業時間が読みにくい(=見積り型になりやすい)
3-1. ゴミ屋敷清掃の料金相場(レンジ感)
ネット上の複数業者の相場情報を見ると、間取り別では以下のような価格帯になるようです。
- 1R/1K:3万〜10万円程度
- 2LDK:15万〜50万円程度
- 3LDK:30万〜100万円程度
こういう「幅」が出るのは、ゴミの量(床が見えるか/天井まで積みあがっているか等々)、搬出経路の確保状況、階段作業の有無、駐車の条件などで工数が激変するからです。
※あわせて、片付けサービスでは「追加料金」等の相談も出やすい領域なので、作業者側としてはトラブルを避けるため契約前の見積書作成・作業範囲の明確化は必須です。
3-2. おそうじ革命もゴミ屋敷は「訪問見積り」
「おそうじ革命」の公式料金一覧でも、ゴミ屋敷片付け清掃は「訪問見積り」の扱いです。
つまり、ここは“メニュー単価”ではなく、
受けたら売上が跳ね上がる「大型案件枠」
としての設計になるわけです。
4. では、その大型案件(ゴミ屋敷)は日本にどれくらいあるのか?【フェルミ推定】
ここからは、フェルミ推定での計算過程を端折らずに書いていきたいと思います。
4-1. まず「行政が認知している件数」という“下限”を置く
環境省の調査報告書(地方自治体アンケート)では、直近5年度(平成30〜令和4年度)の期間で、ゴミ屋敷の認知件数 合計5,224件という集計が示されています(※調査に回答し、かつ認知がある自治体分の合計として読める形)。環境省【「ごみ屋敷」に関する調査報告書】
この数字は、フェルミ推定で検討する中での「公式情報の下限」になりそうなのでここでは基準として使うことにしました。
ここで仮定1:1年あたりの行政レベルでのゴミ屋敷認知件数
- 上記 5,224件は“5年分の合計” としての集計値なので平均化すると
→ 年あたり:5,224 ÷ 5 ≒ 1,045件/年
ここで仮定2:ゴミ屋敷を認知している自治体1つあたりの年平均
- 認知があると回答した自治体は 661(報告書記載)
→ 認知自治体1つあたりの年平均:1,045 ÷ 661 ≒ 1.58件/年
ここで仮定3:全国推計
- では全国の自治体数に広げる。
全国の自治体数は令和6年10月時点で 1,741 自治体。
→ 全国推計(年):1.58 × 1,741 ≒ 2,750件/年
ここまでが「行政が把握するレベル」の推計です。
つまり、
行政に見つかるレベルのゴミ屋敷だけでも、年間およそ2,750件規模
と見積もれます。
そして重要なのは、これは間違いなく“氷山の一角”だということ。
上掲の調査報告書での「ごみ屋敷の定義」を見ると、「外見から明らかに管理不良で周囲の家々の生活環境を損なうおそれあり」な住宅等が対象のようです。
4-2. 「予備軍」の上限側:ためこみ症(ホーディング)の有病率から推測
MSDマニュアル(家庭版)では、ためこみ症について約2〜6%の人がこの病気をもっていると記載があります。MSDマニュアル
「ゴミ屋敷=ためこみ症」ではちょっと乱暴かもしれません。
というのも、「病的というほどではないがとにかく片づけという行為ができない人」というのが、ためこみ症とは別にまあまあな数で存在するのではと思えるからです。
でもあまり追及しすぎると「推定」ではなくなってしまうので枝葉の情報を深追いすることはせず(それがフェルミ推定の基本でもある)、「ゴミ屋敷予備軍(散らかりが深刻化し得る層)」数を算出する基準値として「2~6%」という数値を用いることにします。
次に、世帯数を出します。国勢調査の概要資料では、
- 世帯数 5,583万世帯
- 一般世帯の1世帯当たり人員 2.21人
が示されています。令和2年国勢調査
ここで仮定4:ゴミ屋敷予備軍の概数
- 「ゴミ屋敷予備軍」数を世帯単位でざっくり出したいので、2〜6%を世帯に準用することにします。
すると、
- 5,583万 × 2% = 約112万世帯
- 5,583万 × 6% = 約335万世帯
ゴミ屋敷“予備軍”は、ざっくり100万〜300万世帯規模(上限側の概数)
ここまで来ると、行政認知(年2,750件)とのギャップが大きいですよね。
このギャップは自然で、理由は簡単です。
- 予備軍の大半は「外から見えない」ので「苦情にならない」
- “業者が必要な状態”まで悪化しないケースも多い
- 家族内でなんとか処理して表に出ないケースもある
4-3. じゃあ「業者が入りやすいゴミ屋敷案件」は年どれくらい?
ここからは完全にフェルミ推定です。
ここで仮定5:行政未認知倍率
行政が認知しているのは一部なので、実際の“深刻案件”はその 5倍〜10倍 ある、と仮置きする。
(※根拠は「隠れ案件」「家族内処理」「苦情化しない」等。推測するしか手立てがないのである程度のレンジ幅は必要)
- ゴミ屋敷予備軍世帯数下限(行政認知ベース):2,750件/年
- 補正:×5〜×10
→ 13,750〜27,500件/年
全国の“深刻なゴミ屋敷(片付けが必要になりやすい層)”は、年1.4万〜2.8万件くらい
…というサイズ感がなんとなく見えてきます(あくまで推定)。
ここで大事なのは、「これ全部をハウスクリーニング業者が取る」わけではないこと。
不用品回収専門・遺品整理・便利屋・自治体の関与など、取り合いになります。
ただ、
“案件が存在するか”という問いには、YESと言える規模
でゴミ屋敷があるという現実が見えてきます。
5. 人口14万人の街でシミュレーション
では、読者がイメージしやすい形に落とし込むため、人口14万人の市で、どれくらい案件があり得るかを検討してみます。
※「14万人」は日本での1都市あたりの人口平均値。約135,000人程度なので計算しやすさの便宜上丸めて14万人として今回は利用。
5-1. まず世帯数を出す
国勢調査の平均世帯人員 2.21人を使うと、
- 世帯数 = 140,000 ÷ 2.21 ≒ 63,348世帯
5-2. 行政認知レベル(下限)のゴミ屋敷は年何件?
既出の全国の行政レベルでのゴミ屋敷認知推計:2,750件/年
これを全国世帯数 5,583万で割って、世帯あたりの年率にします。
- 年率 = 2,750 ÷ 55,830,000 ≒ 0.0000493(=0.00493%)
人口14万人(63,348世帯)に当てると、
- 63,348 × 0.0000493 ≒ 3.12件/年
人口14万人の自治体では、行政に見つかるレベルだけでも、年3件くらいは“それっぽい案件”が出る
5-3. “隠れ案件補正”(×5〜×10)をかける
前掲の仮定補正値(×5〜×10)を同様にかけると、
- ×5:3.12 × 5 ≒ 15.6件/年
- ×10:3.12 × 10 ≒ 31.2件/年
人口14万人の自治体なら、年15〜31件くらいは“深刻な状況になりそうなゴミ屋敷”があり得る
5-4. さらに「予備軍」はどれくらい?
ためこみ症の有病率 2〜6%を世帯に準用すると、
- 63,348 × 2% = 約1,267世帯
- 63,348 × 6% = 約3,801世帯
ゴミ屋敷予備軍世帯は、人口14万人でも1,000〜4,000世帯規模で存在し得る
この数字の中には「恥ずかしさ」「気まずさ」「面倒くささ」「片づける時間がない」といった理由から、声を上げることなくそのまま放置で重症化している世帯も相当数あると思えます。
相続・退去・近隣苦情・害虫・悪臭などのトリガーで“ある日突然、業者案件化”すれば、そこで事態は変わります。
しかし、こういった端緒がなく眠った(?)ままの世帯を仮に自力で掘り起こしできれば、ハウスクリーニングでの独立開業にかなり大きな可能性が開けるのではないでしょうか。
→「数か月に1件の大型案件があれば!」ゴミ屋敷を自力で掘り起こし(記事作成中)
6. じゃあ結局、あなた(FC独立組)が取れるのはどれくらい?
ここで読者が知りたいのは、「市場があるのは分かった。で、自分はその案件を取れるの?」です。
人口14万人の街で、深刻寄りゴミ屋敷が年15〜31件あるとして(推定)、
仮にあなたが取れるシェアを、
- 低め:5%
- 現実:10%
- うまく回れば:20%
と置くと、
- 15〜31件 × 5% = 0.75〜1.55件/年
- 15〜31件 × 10% = 1.5〜3.1件/年
- 15〜31件 × 20% = 3〜6.2件/年
つまり、
「年に2〜3件」なら現実的な件数として十分射程に入る
くらいの感触になります。
これは言い換えると、
- 数か月に1件(四半期に1回くらい)
- あるいは調子が良ければ 2か月に1件
くらい。
最初に言った「月1件」は理想として置きつつ、
“月1件じゃなくても年数件はありそう”な気配がしてきましたね。
7. ゴミ屋敷案件が「数か月に1件」入ると、何がどう助かるのか(売上の話のみ)
ゴミ屋敷清掃の料金相場はレンジが大きいですが、仮に1件25万円とします。
(※前掲のデータで間取りやごみの量で3万〜100万級まで動くのを表記済)
- 一般メニュー:平均 10,658円/件(相場)
- 25万円の大型案件:一般メニュー 約23件分 に相当(250,000 ÷ 10,658 ≒ 23.4件)
つまり、
ゴミ屋敷1件 = “一般メニュー約20件分の売上”を一撃で作る
もちろん工数が大きいのは間違いない。
でも「一週間分くらいの売上が一回で積み上がる」というインパクトは十分にあります。
独立初期の怖さって、だいたい次のようなものでしょう。
- 予定していた件数が埋まらないのでは…
- 体調不良で稼働が落ちたら…
- 閑散期は予約が激減するのでは…
そんな時に、年に数回でもスポットで大型案件が入れば、売上が上がるとともにいざというときのための金銭的余力も残しておけます。これは、非常に大きな安心材料だと思います。
8. まとめ:数字で見ると、ハウスクリーニングFCは「一般案件で回して、大型案件で伸ばす」が現実解
最後に、今日の数字をまとめます。
一般メニューの平均単価
- 業界相場(中央値平均):約10,658円/件
- おそうじ革命(主要6メニュー平均):約13,378円/件
ゴミ屋敷案件の“存在量”(フェルミ推定)
- 行政認知レベル(下限)のゴミ屋敷世帯数 → 全国で 年2,750件程度
- 隠れ世帯補正(×5〜×10) → 年1.4万〜2.8万件程度
人口14万人でのシミュレーション
- 世帯数:約63,348世帯
- 深刻寄りゴミ屋敷世帯数:年15〜31件
- 取り分10%と仮定すると:年1.5〜3.1件(=数か月に1件ペースが現実的)
おわりに
ハウスクリーニングFCは、「業務をどう設計するか」で勝機の多い仕事です。
- 一般メニューの平均単価は、想像より“ちゃんと”している
- 件数が積めれば、それだけでも売上の柱にはなる
- ゴミ屋敷は見積り型で単価が跳ねる
- しかも人口14万人でも、数か月に1件ペースは数字上あり得る
だから結論はこれ。
ハウスクリーニングは一般メニューで回す。
そして大型案件が来たら、伸びる。
“月1件”にこだわらなくても、十分に勝てる。
追記:ゴミ屋敷案件って、FC加盟しただけで受けられるの?(研修・資格・“許可”の話)
ここで一回、読者が抱くであろう疑問を潰しておきます。
「ゴミ屋敷片付けって、普通のハウスクリーニングと違って“特殊作業”っぽい。
FCになっただけで受けられるの?資格とか研修とか必要じゃない?」
結論から言うと、ポイントはこの3つです。
- “清掃作業”自体に必須の国家資格がある世界ではない
- ただし現場は 研修なしで突っ込むとたトラブルになる可能性大(技術・段取り・安全管理)
- そして最大の壁は 「不用品(一般廃棄物)の運搬・処分」=許可が絡む
順に見ていきます。
1) 資格は必須じゃない。でも、研修は実質必須
まず大前提として、一般的な「ハウスクリーニング」や「片付け作業」そのものは、国家資格がないと業務ができないタイプの仕事ではありません(もちろん民間資格・講習はあります)。
ただ、ゴミ屋敷は“掃除”というより、実態は次のようなものです。
- 仕分け(可燃・不燃・資源・危険物・家電など)
- 大量搬出(動線づくり含む)
- ニオイ・害虫・衛生(消臭・除菌・害虫対応)
- 近隣配慮(養生、騒音、搬出導線)
- 見積り(追加料金トラブル回避の設計)
つまり、未経験者が自己流でやると、作業品質より先に「トラブル」が起きやすい領域です。
だから、FCでやるなら「本部の研修と基準」が生命線になります。
例:おそうじ革命は“研修の存在”と“ゴミ屋敷対応”を公式に明記
おそうじ革命は開業前研修として、50日間のプログラム「イールシステム」を掲げています。
また、ゴミ屋敷片づけ清掃のサービスページでも、「専門研修『イールシステム』」や、仕分け~処分、清掃・消臭・除菌・害虫駆除まで対応と説明しています。
※ここで誤解しないでほしいのは、公式ページの記載は「チェーンとしての提供内容」であり、個々の加盟店が開業直後からどこまで対応できる運用か(難現場は応援が付くのか、追加研修が要るのか等)は、FC本部のルールで変わり得るという点です。
ただ、「研修を前提にした体制がある」こと自体は、公式ページから読み取れます。
2) “特殊清掃”は別物。ゴミ屋敷=特殊清掃ではない
もう一つ整理しておくと、ゴミ屋敷と混同されやすいのが「特殊清掃」です。
- ゴミ屋敷(片付け+清掃):大量の生活ゴミ、害虫、悪臭、衛生悪化が中心
- 特殊清掃:孤独死などで体液・腐敗臭等が絡み、感染対策・高度な脱臭が必要な領域
この線引きをしておくと、現場判断がラクになります。
- 片付け+通常清掃の範囲で収まる → ゴミ屋敷案件として受けやすい
- 感染性の疑い、体液、腐敗臭が強い → 特殊清掃の領域として、対応可否を厳密に判断
FCで「ゴミ屋敷は対応」「特殊清掃は提携先へ」といった運用は普通にあり得ます。
あなたがFCである以上、本部の方針に従うのが必須です。
3) いちばん重要:不用品処分は“許可が絡む”=ここがFCでも壁になりやすい
ゴミ屋敷案件で最も事故りやすいのは、実は掃除の技術ではなく 「処分をどうするか」 です。
一般家庭から出るゴミ(=一般廃棄物)について、収集・運搬を業として行うには、市町村長の許可が必要という枠組みが、廃棄物処理法にあります(第7条)。
現実の行政案内も、かなりハッキリ言っています。
例えば横浜市は、遺品整理や家の片付けで不用品が出る場合、許可業者に依頼すること、さらに 排出者(依頼者)と許可業者が直接契約する必要がある(委任は可能)と注意喚起しています。
ここがつまり、「FCになっただけでは特殊作業までできないのでは?」という疑問の正体です。
- 片付け作業(分別・搬出・清掃)はできる
- でも 不用品の運搬・処分を“自分が業としてやる”には許可が絡む
- だから多くの業者は 一般廃棄物収集運搬の許可業者と組む(または顧客に依頼してもらう)
FCでゴミ屋敷を安定的に受けるには、この「処分スキーム」が整っているかが超重要です。
(逆にここさえ整えば、“特殊”どころかビジネスとしてはかなり堅くなります)
4) じゃあ、FC開業者はどう動けばいい?(チェックリスト)
読者がFC本部に確認するなら、以下のような点を聞けばOKです。
A. 研修・施工の線引き
- ゴミ屋敷案件は開業直後から受託できる?追加研修や社内認定は?
- 難現場(重度・害虫・悪臭)に応援・本部支援は出る?
B. 不用品処分(ここが最重要)
- 一般廃棄物の処分はどうする設計?(許可業者との提携/顧客直契約/委任の扱い)
- 見積書・契約書上の記載はどう切り分ける?(作業費/処分費/運搬費)
C. 見積り運用(追加料金事故を防ぐ)
- 訪問見積り必須?追加料金のルールは?
(「おそうじ革命」は、ゴミ屋敷で「事前の訪問見積り」「作業開始後の追加料金なし」と明記しています)
5) 数字の話に戻る:なぜ“予備軍”が重要なのか
前段で、ゴミ屋敷予備軍の概数を「ためこみ症(2〜6%)」を手がかりに置きました。
ここで言いたいのは、潜在層が結構厚そうだということです。
予備軍の多くは、普段は表に出ません。
でも、以下のタイミングで突如「業者案件」になります。
- 退去・引っ越し(期限がある)
- 家族の介入(実家片付け)
- 売却・相続
- 近隣からの苦情、害虫、悪臭
つまり、FCとしては
一般メニューで回しながら、
予備軍が“案件化”する瞬間を拾える導線(退去前清掃/空室・引っ越し前後/実家片付け)を持つ
これが収益の安定化に直結します。
追記まとめ
- 清掃そのものに必須国家資格がある世界ではない
- ただしゴミ屋敷は、研修と基準がないと事故る
- 本当の壁は「一般廃棄物の処分」=許可が絡むので、許可業者との連携設計が肝
- おそうじ革命は研修(イールシステム)とゴミ屋敷対応を公式に打ち出している
だから、ハウスクリーニングFCとして安心するための結論はこれです。
FCでゴミ屋敷を受けるために必要なのは、
「研修」と「処分のスキーム」と「受ける範囲の線引き」。
ここが整っているFCなら、“大型案件を受けられる可能性”は現実になる。